賃貸マンションの場合
マイホーム用でも賃貸用でも、不動産を購入した場合には、不動産取得税や登録免許税がかかります。またその後保有し続けると毎年固定資産税・都市計画税が課税されます。これらの税金ですが、賃貸用不動産は、マイホームでは適用可能である税金の軽減の特例を受けることができないなど、税務上の取扱いが異なる場合があります。
賃貸用として不動産を購入した場合の取扱い
① |
不動産取得税 賃貸住宅は、自己居住用ではないので住宅用不動産を取得した場合の軽減の特例は受けられません。(新築住宅は、マイホーム同様に適用要件を満たせば軽減の特例が受けられます。) |
② |
登録免許税 自己居住用ではないので、新築・中古ともに住宅用家屋の軽減の特例は受けられません。 |
③ |
固定資産税・都市計画税 適用要件を満たせば「住宅用地」及び「新築住宅の建物」の軽減措置が受けられます。 ただし、市区町村により軽減の特例の内容が異なる場合がありますので、詳細は不動産が所在する市区町村にご確認下さい。 |
④ |
消費税 売り主が消費税の課税事業者であれば、建物部分については消費税が課税されます。 |
賃貸を開始する際の届出書類
賃貸事業を開始した場合は、主に以下の書類を税務署に届け出ます。(②と③は任意です)
届出書類 | 届出理由 | 提出期限 | |
① | 個人事業の開廃業届出書 | 事業を開始した場合 | 事業開始から1ヶ月以内 |
② | 青色申告承認申請書 | 青色申告を 選択したい場合 |
その年の3月15日まで (その年の1月16日以後に事業を開始した人については、事業開始の日から2ヶ月以内) |
③ | 所得税の減価償却資産の 償却方法の届出書 |
減価償却資産の償却方法に 定額法以外を選定したい場合 ※償却方法を選定しない場合、全ての減価償却資産に定額法が選定されたとみなされます。 |
開業した年の翌年3月15日まで ※建物については定額法のみとなり定率法を選択することができません。 |
ケーススタディ
平成23年9月30日に中古の賃貸マンション(居住用)を取得した場合にかかる各種税金はいくらになりますか?(売買金額6,000万円、土地固定資産税評価額3,000万円、建物固定資産評価額1,000万円、固定資産税・都市計画税の年税額22万円、取得のための借入金2,000万円)
Q1 減価償却方法の違いとは?
A |
建物や建物付属設備などの資産は購入時に全てを必要経費とするのではなく、毎年減価償却により耐用年数で分割して必要経費にします。 減価償却の方法には定額法と定率法があります。減価償却費の金額の総額は、どちらの方法を使用しても同じです。 早期に必要経費化したい場合は、定率法を選定した方がよいでしょう。 個人の場合、定率法を選択したい場合は事前に「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」を提出することで定率法で計算することができます。 届出書が出されていない場合には定額法となります。ただし、建物については定額法で計算しなければなりません。
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Q2 青色申告のメリットは?
A |
青色申告を選択した場合には、さまざまなメリットがあります。主なメリットとしては、10万円の青色申告特別控除があります。 これは、収入金額から必要経費を差し引いた不動産所得から、さらに10万円(所得金額を限度とする)を控除することができるものです。 さらに「社会通念上事業と称するに至る程度の規模」(一般的に貸室10室、貸家5棟)以上であれば、複式簿記による帳簿作成をすることを条件とした65万円控除できる青色申告特別控除や、事業に専従する親族に対して支払う給与を青色事業専従者給与として必要経費に計上することができる制度等があります。 |